以前、私も乗ったことがある宗谷バスの天北宗谷岬線について、存続危機のニュースを見ました。
旧JR天北線代替バス存続危機 輸送量足りず補助打ち切り 沿線の大幅負担増必至(北海道新聞) - Yahoo!ニュース
内容としては輸送量が補助の基準に満たなかったのを、買い支えという形で維持していたがグレー行為で会計検査院に指摘され、結果として国の補助が打ち切られたということです。
おそらく、これを見た人の過半は、税金の無駄遣いだ!と思うかもしれません。
一見して、輸送量が少ない路線を公費で残すというのは、無駄なように思います。
しかし、これは正しいのでしょうか。
私は、そういう路線も含め地域交通のネットワークを維持しなければ、国土の荒廃が進むだけだと考えています。
マイカーがあれば問題ないというのは、すべての人が運転できるわけではないということもありますし、環境負荷の問題もあります。
最大の問題は足の無い様な場所というのは、どんどん不便になる一方なので、外から来る人にとっては認知されず、中に住む人には未来が無いので都会に行こうということになるわけです。
もちろん、全ての過疎地の路線を闇雲に残せということを主張しているわけではありません。
インフラの維持というのは、今後ますます難しくなるのが確定的に明らかなわけで、社会的な合意を形成して、日本の総コンパクト化を進めることは避けられないのです。
一方で、過負荷になっている東京を始めとする都心部もそのままではいけないのです。
つまり、コンパクトシティを決定し、そのシティ内・シティ間の路線については収支を度外視して残すべきです。
逆にそれ以外については、廃止も止むを得ないのではないでしょうか。
今は大雨の被災なども問題になっていますが、そういう時だからこそ闇雲に全部復旧全部維持ではなく、社会のあり方を冷静に議論することが必要ではないでしょうか。
社会も国家もすべての人を救うことはできないですし、それは無理なのです。
だから、インフラの維持を約束するエリアを決めるべきですし、それ以外の場所に住む自由(リスク込みで)もあるべきです。
ただ、日本人にはあまりこのようなファジーな考え方というのは受け入れ難いようです。
接客業などを見ていると感じます。
しかし、何事も完璧にというのは不可能な幻想だと知ることから始めるべきです。
宗谷本線と天北宗谷岬線の乗車記録です。
残念ながら、この乗継は10月の減便で不可能になっています。音威子府までの直通便が大幅に減らされているからです。
20180828:北海道乗り鉄2日目 宗谷本線、天北宗谷岬線