徹底的にロジカルな投資手法に学べ!成功する投資を行うため投資家が守るべき「鉄の掟」、ポスト団塊ジュニア層が投資を始める際、心にとめておくべきこと(NISA攻略法)、デイトレーダーになりたい人はどうやって始めればよいか、長期投資のコツ(ウィリアム・オニールの投資法、ETFの活用法など)、2014年の投資機会、などについて説明。
はじめに
投資で一番大切な20の教えに続いて、昔に買って読んでいた投資本の再読です。
著者の広瀬氏は、米国の投資銀行などを渡り歩いて米国でバリュー投資からIPOまで多くの経験を積んだ方で、その「米国流」のノウハウを多く示す本です。
今回はデイトレードやグロース投資等に関わる部分は飛ばして、長期投資の面で肝要となるポイントを振り返りました。
ポイント
営業キャッシュフローのよい会社を買え
- 営業キャッシュフローが毎年順調に伸びていることが望ましい。
- 営業キャッシュフローは純利益より大きく無いといけない。
- 営業キャッシュフローマージンが15%以上の会社を狙う。
ポイントは上記の3点であり、これにて「儲かる構造」が出て切る会社であることがわかります。
これについては、簡単にその構造が壊れるものではないので、四半期ごとにチェックする必要は薄いとします。
なお、営業キャッシュフローを重視するのは、利益や売上高と違いキャッシュフローは、所謂「ごまかし」の通用しにくい数字だからだそうです。
四半期にはコンセンサス予想と実際の結果を確認する
まず、決算発表前にコンセンサスのEPS予想と売上高予想を調べておきます。
何故かというと企業が提示するガイダンスを元に形成される投資家の期待がコンセンサスの数字であり、それに対して実際の数字がどうかということから決算の良し悪しが決まるのです。
筆者は、よい決算について
- EPSと売上高がコンセンサスの数字を上回る
- さらにガイダンスが来期のEPSと売上高の予想を上回る
そして、これを毎四半期続けることが必要です。決算をチェックせずに持ち続けるのは投資家ではなく、単なる信者だとし、四半期の決算チェックは最低限必要な努力だと主張します。
長期に持てば必ず儲かるという保証は無い
長期で右肩上がりだから、インデックスを買っておけばいいというキャッチフレーズを捏造したのは、他でも証券マンであると筆者は指摘します。
大筋としては筆者もこの見方に賛同しますが、インデックス投資が提唱された時代は、マーケットにとってとりわけ良い時代だったことを忘れてはならないと言います。
また、長期投資には2つの条件がつくと言います。
- 対象が適切であること。
- リスク分散があること。
バリュー投資でいうよい会社
バフェットの言う「ワイド・モート」に当てはまる会社の条件として6つ挙げています。
- 事業規模が特に大きい
- 市場占有率が圧倒的
- 構造的競争優位を持つ
- 太刀打ちできないブランド
- ネットワーク効果
- 顧客が乗り換えるのが難しい
まとめ
この本は具体的なテクニックを紹介する本で、バリュー投資だけではなくグロース投資やデイトレードまでをカバーする広い本です。
特に役に立つと思うのは、決算で確認するべきポイントでしょうか。
営業キャッシュフローとコンセンサスだけであれば、本業がある個人投資家でも軽く確認できると思います(銘柄を持ちすぎなければ)。
ということや分散投資の意味から考えて、セクターなどをわけて10~15程度の銘柄を持つのがよいと言われています。