このETFは、「10年以上連続して増配の実績を持つ」という厳しい条件の元で選ばれた米国株へ投資できるものです。
チャート
2019/11/23時点です。
リターンという意味でいうと、1年で17.63 %、10年で12.83 %(バンガード社サイトより)になります。
なお、米国株の基幹となるVTIは、1年で13.47 %、10年で13.63 %(バンガード社サイトより)です。
詳細情報
2019/11/23時点です。
- ティッカーコード VIG
- 経費率 0.06%
- 配当利回り 1.74%
- NASDAQ USディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指します。
このETFはどうか
おすすめする理由
- 「連続増配10年」という厳しい条件がついているため、優良企業ばかりである。
- VTIと比べて金融やテクノロジーの比率が下がっていることや成熟傾向にある企業が多いことから下落局面に対する強さが期待できる。
微妙なところ
- 結局、VTIやS&P500関連のETF(VOO等)で足りているのでは?と言えなくはない。
- 回転率が15.7%と結構高い。
- 配当利回りは高くない。
結論
特に配当を出している中で優良な企業を集めたETFというのが感想です。
一方で、今の利回りが高くないのは、「今後増配する確率の低いものを除外する」という方針によって高配当株が除外されていることによるものだと考えられます。
成長性と配当のバランスを取ったと評価すればよいでしょう。
VIGを構成する株式
バンガード社の公式サイトから、セクター別の割合と、組み入れ株の上位を確認しましょう。
マイクロソフト、P&G、ウォルマート、ビザと錚々たる顔ぶれです。
セクター別でみるとトップが資本財なので、むしろ景気に敏感に反応するように見えます。
一方で、TやVZなどの電気通信セクター、XOMやCVXなどの石油・ガスが見事に除外されています。
増配の確率が低いという評価で除外されているのでしょうが、何故なのか素人目にはよくわからない部分もあります。
VIGの買い方
下落時点でのショックを緩和しつつ、上昇相場に置いていかれ過ぎないようにするための、フレーバー的な利用が好ましいのではないかと筆者は考えています。
実際、リーマンショック期においてそのクッションとしては機能しています。
主軸に据えるには、この「偏り」がマイナスに作用する可能性も、トラックレコードとしては現時点でないとしても、否定できないなということもあります。
一方で、トータルリターンとしてみた時には、VTIとそこまで差があるものではない(10年で多少劣後しますが)ので、値下がりは気にしないとか細かい管理が面倒とかの理由で組み入れないのもありだと思います。
VTI一本VOO一本というポートフォリオは楽で確実でありますが、そこであえて色をつけたくなるのが弱さとみるか、投資を楽しむためのワンポイントと取るかは人それぞれであります。
米国株の基幹となるVTIの解説記事です。
米国株の基幹となるVTIの解説記事です。
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