2019年11月21日木曜日

今ここで米国株に投資するのは

まとまりのない雑文というか、ただの自己決意のためです。
そんな考えもあるのか(笑)と読み飛ばしてもらえると幸甚です。


私は、2016年ごろから景気後退の時期に入ってきたのではと思い、当時持っていた日本株や投信等をかなり処分しました。無駄と知りながらもわずかでも金利の高い銀行へ資金を退避させ、米国の債権ETFやわずかなインデックス(VTI)だけを残しました。
よって、資産における現金と債権の割合は合計すれば8割にも達するのです。

しかし、皆様ご存知の通り、景気後退の足音は足音のままで、短期的な調整はあるにせよ、結局は下がっていないわけで、2年以上機会損失を続けているわけであります。
最近投資本でも確認をしていますが、結局素人投資家にとって購入売却の判断というのは容易ではないのです。ましてや、決算のような数字で示されるものをならともかく、先の株価という見えないものでは。

ということで、次の10年。どこかで本当に暴落が来るかもしれませんし、レンジ相場、あるいは緩やかな右肩上がりかもしれません。
そこで、ある程度システマティックにインデックスを買って行こうと思いました。

買うのは今まで当ブログで取り上げているVTIの他、VIGやVYMも混ぜていこうかと考えています。
さらには、パフォーマンスを下げる可能性のあることを承知で、個別株も少し買うつもりです。そのリスクよりも、米国株やマーケットに関心を持ち続けていくということの意味があります。やはり、投資はスクリーニングが醍醐味であり、ETFは確実であるものの退屈な側面があることを否定できません。


さて、今のままでいいのか?という話の次は、米国株でよいのか?ということになります。
勿論、未来に確実なことはありませんから、結局は納得して決断するかです。
そういう意味では、世の中にはVTのような「全世界」を対象とするものもあります。

それでも私は米国株を選ぼうと思います。

  1. 優秀なトラックレコードがあるから
  2. 米国内のみならず国際的に高い競争力・収益力を持つ会社が多くあるから
  3. その一方で、新技術への投資・精神も盛んであるから
  4. 経済成長へのマインドが高いから
  5. 覇権通貨ドルの存在があるから

肯定的な理由を挙げてみました。内容については、諸先賢が語りつくしていると思うので、あえてここでは何も語りません。
程度問題として異議がある方は居ても、完全にこれらのことを否定される方は多分いないのではないでしょうか。

では、米国に死角はないのでしょうか。

  1. 社会分断の増大(貧富の格差、政治的立場etc)
  2. 高齢化などによる社会負担の増加、成長率の低下
  3. 多額の債務
  4. 支那や印度などの新興国の追い上げ
  5. 覇権から転落することによる、揺り戻し


こんなところでしょうか。
これらに対する所感を述べておきます。ただの所感なので、エビデンスはありませんが。

1つ目は社会分断の問題です。まず目に付くのが一時期話題になった99%と1%のような貧富の格差です。日本でも「上級国民」なる層が出現していると感じる人が増えていますが(私もそう思いますw)、富の偏在が何故問題かというと、それがどうしても階層の固定化につながり、階層が固定化されるとどうしても影響力の大きい層が腐るため、国家全体が駄目になるのです。
また、富を稼いだ創業者は、色々な要素はあるにせよ自らが動いたことで稼いでいるわけですが、人間には寿命があるので、死んだ時にその大量の富が残り、それは通常の場合、自分の子孫に行くわけです。しかし、そこで世襲となると子孫がその本人の能力と同等か超えることは自明ではないため、浪費が始まることは不可避なのです。
かといって、相続財産に税金をかけても、創業者自身の意欲をそぐ上に、国家が世襲した子孫より有益に使えるかというと、また別の話になります。
ただ、これは米国だけの問題ではなく世界的な現象であり、米国株を避ける理由ではないのかと考えています。

2つ目は、日本・欧州の先例のように、米国がなっていくことです。
人口動態のデータを見る限り、日本や欧州のレベルになるには、相当の時間がかかることが予想されますが、今までの世紀よりこれらの事象が進むことは確かです。
しかし、先例の各国だけではなく、新興国とカテゴライズされる国であっても少子高齢化は進んでいるわけであり、そうなると相対的に見れば、既に多くの富を積み上げている米国は有利な立場と言えるでしょう。

3つ目は、米国の政府や企業の債務です。債務の多さと言う面でいうと、日本は比較的少なく欧州や米国は多いようです。債務が膨らむことは危険であることは確かですが、一方でそれはすなわちバブルであり、景気循環の一部と考えると、振り子が戻る時もまたあるのです。つまり、個人のスキルや忍耐力でカバーのできる範疇ではないかと思います。

4つ目と5つ目については、まとめてばっさり考えにくいと否定します。
人口動態を考えると、米国に変わる可能性のある国は支那と印度だけと考えます。
アフリカはあまりもスタート地点が後ろすぎており、日本や欧州は米国に先んじて成長率が低下しています。露国は所詮は軍事力と資源だけの国です。
支那については、国としては有り得ないだろうとだけ。いずれまた、支那というものについて語る機会があればと考えています。なお、個人的には共産党王は嫌いですが、支那人には嫌悪する部分もありつつ、学ぶべき部分もあると思います。
ただし、支那を国としてではなく、支那人(漢民族)として考えると、もしかしたら今までとは違う形での覇権を手にすることがあるやもしれません。
印度については、現状は社会や法律の整備があまりも追いついていないと思います。ポテンシャルがあることは確かとして、先物買いで大もうけを目指すのでなければ、個人投資家としてはまだ遠目で見るという段階でしょう。
よって、米国の覇権は、四半世紀という単位であれば、変わらないと考えられます。



米国株全体に投資するVTIは、米国株投資の一番スタンダードであり、筆者もVTIを軸に他のETFや個別株も購入するつもりです。

VTI:Vanguard Total Stock Market ETF(バンガード・トータルストック・マーケット・ETF)



覇権について考えるのにあたり、カール・シュミットの「陸と海 世界史的な考察」は参考になる本の1つです。

陸と海 世界史的な考察(カール・シュミット著)