2019年4月14日日曜日

VTI:Vanguard Total Stock Market ETF(バンガード・トータルストック・マーケット・ETF)

投資メモを残していくとして初回は、まずは基本中の基本となるETFである、VTIです。

このETFは、米国全体を丸ごと買えて、とにかく低コストというものです。
まずは、情報を確認しましょう。

チャート


2019/04/14時点です。


詳細情報


2019/04/14時点です。
  • ティッカーコード  VTI
  • 経費率      0.04%
  • 配当利回り    1.89%
  • 米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーする、CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動したパフォーマンスを目指します。


このETFをおすすめする理由


  1. 投資先として、米国株がおすすめである。
  2. その米国株全体を丸ごと購入できる。
  3. そしてコスト(経費率)が安い。
この3点に尽きます。
では、それぞれについて説明していきましょう。

米国株をおすすめする理由


投資先として如何に米国が優れているかを説明するのは、本ETFの紹介と少々ずれますが、私の考えは、以下の通りです。

  • 世界の覇権国であり、人・モノ・金が集中している。
  • 他の先進国と比べ、人口構成が若く、人口増加が続く予定である。
  • NYダウは(ほぼ)右肩上がりで、今後もそれが続く可能性が高い。
上記2点については、私がここで今更説明をすることではないでしょう。
最後の点について、今後続くかは未来のことですからわかりません。しかし、NYダウと日経平均のチャートを比べるだけで、どちらが優れているかというのは自明ではないでしょうか。(厳密には指数の性質や構成の違いがあるので一概に単純化してみるべきではありませんが)

もちろん、これは筆者の見方であり、支那やインドといった新興国の勢いを買うという見方もあるでしょう。そのような人にとっても、米国株・ドルを一定割合で保持することはヘッジになります。
また、海外だからわからないという人にとっても、近年整備されてきている日本の証券会社からの米国投資はハードルが下がってきているのではないかと感じます。

米国株を丸ごと買えるETF


一般に米国株を丸ごと買うとなると、S&P500に関するETFを買うのが常だと思います。この場合ですと、SPY・IVV・VOOなどが選択肢に入ってくるでしょう。
もちろん、これらも悪いETFではないのですが、S&P500というのはあくまでも代表的な企業であって、分散として充分ではあるものの、取り込めない部分があるかと思います。

VTIのベースとなる「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」は、4000程度の企業が対象となっており、時価総額でみるとほぼ100%をカバーしています。
つまり、米国株全体をカバーしているといっても過言ではないでしょう。

小型株の方が成長しやすいというアノマリーがあることか考えても、S&P500よりVTIの方が大きいリターンを期待できる可能性が高いのではないかと考えます。

コストは最安水準の0.04%


ETFを買うとき、リターンは先のことだからわかりませんが、確実にわかるのはコストです。つまり、コストが高い商品というのは、それ相応のリターンが無いと価値が無いということを指します。投資でうまくいかない人・詳しくない人はこの点が甘いと思います。
そのような人にとっても、経費率0.04%は安心して投資できると思います。

比較をすると、S&P500のETFで、SPYが0.09%、IVVとVOOが0.04%です。
他のテーマが決まっているETF(たとえば小型株とかセクター別のもの)だと0.1に近づきますので、株式を対象とするETFとしては、最安といってもよいでしょう。


VTIを構成する組み入れ株


VTIの情報は、公式サイトに出ています。
そこから、セクター別の割合と、組み入れ株の上位を確認しましょう。



今はマイクロソフトがトップのようで、アップル、アマゾン、フェイスブック、バークシャー・ハサウェイと続きます。
テクノロジーに偏りが見られるのは、現在の時価総額がそうなっているからということもあり、避けられないでしょう。この点が気になるのでしたら、セクター別のETFを買って補強するのもありでしょうか。


VTIの買い方


私の投資方針としては、株中心・米国中心で考えていますので、VTIは基幹中の基幹となるETFです。
今、この記事を書いている2019年4月時点では、米国株が高すぎるという感覚を持っており、現状は現金・債権が多く、株式の購入はストップしているため、VTIは少々しか持っておりませんが、今後は然るべきタイミングで買い進めるようにしたいです。

また、ドルコスト平均法で買うのにもよいのではないでしょうか。
市場全体の暴落は避けかねますが、堅い株から成長性のある株まで揃っていますので、ある程度ショックにも強いものです。

個人的には手数料が嵩むので、ある程度ドカンと買うほうがいいと思うのですが、買い時がわかるなんていうのは、素人には(というかプロでも)幻想であるということが、叩かれて(損失で)わかってきたことなので、機械的に買うほうがよいかもしれません。


楽天VTIの存在


こんな素晴らしいVTIですが、日本人は購入時に高い手数料を払う・ドルにするのに手数料を払う・税金で為替差益がかかるなど意外と面倒というか困ることがあります。

そんな人のために、楽天証券から「楽天・バンガード・ファンド(全米株式)」なるものが出ています。
すごくざっくり言えば、VTIを為替ヘッジなしで買う投信という感じでしょうか。

円で米国株に投資したいという人には、S&P500の日本にあるETFや投信を買うよりは、これを買うほうがいいと思います。

ただ、私自身としては、これを買う気はありません。
その理由としては
  • 米国株もそうだが、資産としてドルを持つことがヘッジであるため。
  • VTIと比べるとコスト面でどうか(長期かつまとまった額ならVTIの方がいいらしい)
  • バンガード社に加え、楽天証券の企業リスクが増える。
です。
米国株買うならドルを持てというのは、日本国と日本円の未来をどう考えるかでしょう。
私自身は愛国者のつもりですが、残念ながら無能に舵取りされて沈むのならば、国と一緒に死ぬのはごめんです。
ドルとて、かつての大英帝国のようになる可能性を否定できませんが、円とドルで安全性や資産価値には大きな違いがあります。
最終的には資産の半分をドルで持つことを考えていますので、わざわざこのような商品に手を出す意味が無いのです。

コスト面は、色々試算されている先賢の記事が参考になりますが、現状ケースバイケースのようです。特段、楽天VTIがVTIにベンチマークで不自然に劣後すること今のところないようです。ただ、やはり長期かつまとまった金額であれば、VTI推しのようです。
短期的や売買、あるいは小額ですと手数料負けが酷くなってきます。また、小額でも毎月積み立てたいといった用途でも、楽天VTIの方がよいかと思います。

楽天証券は、アメリカで巨大な実績を持つバンガード社と比べれば、事業継続や安全性という点で劣ります。当然資産規模も本家に比べ劣ります。これがすなわち即座に危険ということはないでしょうが、気になる方もいらっしゃるかもしれません。

結論として結ぶのであれば、初心者・小額で積み立てたい人・日本円で保持したい人には楽天VTIを、ある程度資産がある人・長期で持つ人・外国税額控除ができる人・ドルで保持したい人ならばVTIを買うのがよいのでしょうか。