前書き
米国債権の全体的なETFとして、AGG、BND、SPABの三種類が有名です。
今回は、それぞれを紹介しつつ、比較していきたいと思います。
(結論から言うと、そう大きな差があるわけではないですが)
AGG:iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF
チャート
詳細情報
- ティッカーコード AGG
- 経費率 0.05%
- 配当利回り 2.75%
- 資産総額 59.554 (十億 USD)
- ブルームバーグ・バークレイズ米国総合インデックスと同等水準の投資成果を目指しています。
BND:バンガード・米国トータル債券市場ETF
チャート
詳細情報
- ティッカーコード BND
- 経費率 0.05%
- 配当利回り 2.82%
- 資産総額 37.937 (十億 USD)
- ブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックスのパフォーマンスへの連動を目指します。
SPAB:SPDRポートフォリオ米国総合債券 ETF
チャート
詳細情報
- ティッカーコード SPAB
- 経費率 0.04%
- 配当利回り 3.00%
- 資産総額 3.726 (十億 USD)
- ブルームバーグ・バークレイズUSアグリゲート指数の価格と利回りのパフォーマンスに、経費控除前で、概ね連動する投資成果を上げることを目標とします。
AGG・BND・SPABの比較
こうして情報を並べると微妙な違いはあるもの、大体似たような動きをしています。そう考えると、少し経費率と利回りで有利なSPABがよいように見えます。ただ、SPABは資産総額で大幅に劣る点が若干気がかりではあります。
そんな選び方で大体は問題はないと思うのですが、その違いが何処にあるのかということを少し見ていきましょう。
比較1:組み入れ債権の違い
同じ米国債権全体ETFといっても、実際に運用している資産の比率や格付けというものは一部異なるものです。
公式サイトから筆者が起こしてみました。一部比率の低い部分や表現が異なり同一かわからない部分は除外しています。
こうしてみると、BNDの方が米国国債の割合が高く安全性が高いといえるのかもしれません。
また、モーゲージ・パススルー証券は不動産証券をまとめたもので、政府の保証がついていますので、安全性を確保しつつ利回りを上げるためでしょう。
リスクは、BND<AGG<SPABという順でしょうか。
比較2:残存年数の違い
今度は残存年数から見てみましょう。
こちらはSPABの方が、明らかに長いことが見て取れます。
長期債権が多いということは、相対的に値動きが大きいということですから、それなりにリスクを取っていると解釈できます。
リスクは、AGG<BND<SPABという順でしょうか。
このあたりは専門家ではないので詳しく説明できませんが、以下サイトが参考になります。
比較3:格付けの違い
最後に投資先の格付けの違いです。
こちらは、ややBNDが低格付けの債権が多いように見受けられます。
格付けの観点で見ると、AGG<SPAB<BNDの順でリスクが大きいともいえるでしょう。
結論
指数が同じようなものでも、それはゴールであって、そこへ至るまでの方法論(ポートフォリオ)には違いがありました。
しかし、決定的な差があるというには、違いが小さいという気がします。
SPABは経費率や利回りで優位でしたが、資産総額がかなり劣るのと長期債権がやや多いということがリスクに思えました。
AGGとBNDを比較すると、AGGの方がより堅いものの、経費率と利回りを踏まえるとBNDの方がよいのではないでしょうか。
ということで、筆者は自らのポートフォリオにBNDを組み込んでいます。