2023年3月26日日曜日

20220610:常陸大子、常陸太田

茨城交通編の第二弾は、水郡線の常陸大子から、大子町の北部にある蛇穴まで行き、その後大子駅から馬次入口を経由して、常陸太田市へ。さらに、常陸太田のローカル路線の一つ、大間ヶ沢を訪問してきました。


蛇穴行




表示は大子駅前行になっていますが、このバスが折り返して蛇穴に向かいます。

大子駅を出ると大子駅近くの市街地を回り、久慈川を渡って国道118号へ出ます。この辺りはロードサイドの商業施設がある区間で、数人乗ってくる客がいました。池田北の交差点で、再び久慈川を渡り、県道28号を進みます。

その先下野宮駅の近くを過ぎ、中郷入口のバス停では唐竹久保方面へ行くバスが出ています。この便は事実上のスクールダイヤで乗りバスをするには非常に難易度が高い(戻ってくる便がない)です。

終点の蛇穴は、近くに茶畑などがあり、全く人の気配がしない場所ではなく、八溝山への登山で利用する人もそれなりにいるようですが、今回は一人だけでした。また、遅延して到着したため、すぐに折り返すことになり、じっくりとみる余裕がなかったのが残念です。



馬次入口行




いきなり終点での後ろ姿から始まりますが、これには色々な理由があります。

先ほどのバスでセンターやみぞまで戻った後、食事を済ませて大子営業所まで歩きました。営業所始発の馬次入口行乗るためですが、ここで驚きの事実を知ります。なんと、このバスは運転士の試験だそうです。先ほどの蛇穴行のバスにも、ベテランと思しき別の運転士が乗務しており、時折運転士に指導しながら進んでいましたが、それ自体は稀にあることなので気にしていませんでした。

前の蛇穴行はそれだけでしたら、馬次入口行には他にも数名の運転士・職員が乗っており、さらに写真右の営業車にも、大子営業所の職員が乗っていました。

しかし、乗客は私一人であるため、緊張感漂うバスの中で、珍しい体験をするものだと思いました。あれこれバスに乗っていますが、未だにこの1回しか試験に乗ったことはないです。営業運転ではやらないんですかね…多分。

なぜ、そんなことを知っているのかといえば、営業所まで歩いて行って、その前でぶらぶらしていると、先ほどの蛇穴行で乗っていた指導係の運転士さんに声をかけていただき、どの便に乗るかとか乗り継ぐのかという話と共に、こういう事情なのでよろしくお願いしますという旨を伺いました。

この試験がどうなったのかはわかりませんが、何かトラブルがあったとは思わなかったので、合格されたのでしょうかね。(蛇穴行は結構遅れていたけれど……)

路線としては、国道118号線を南下し、袋田の滝入口で国道461号線に左折します。この先には景勝地として有名な袋田の滝がありますが、このバスはそちらには寄らず国道を直進し、小生瀬十字路を右折します。

この交差点は左側から家戸内線も来ていますが、乗り継ぎは少し難しく、こちらの路線に乗ると常陸太田への接続が厳しいため、今回はスルーします。

右折した先も国道461号線で、少し進むと入合というバス停があり、常陸太田側から一部の便がここまでやってきます。その先で集落内の道へ入り、里美方面へ行く国道461号が上を走るのが見える折返し場が、馬次入口で、常陸大子からの全便と常陸太田からの多くの便がここで折り返します。


水府29系統 馬次入口~太田営業所






大子からの便がついてすぐに、常陸太田から入ってきたのが常陸太田営業所行のバスです。

この路線は、馬次入口を出ると県道29号線を南下し、旧水府村のエリアを進みます。途中、竜神大吊橋という吊り橋の入口までバスは乗り入れます。今回は誰も乗ってきませんでしたが、運転士の方によるとバンジージャンプ等が楽しめるようで、昔は日本一の吊り橋だったようです。

この先ものどかな区間は続き、車庫のある天下野(けがの)地区や一般路線バスとして運行されるものの実質的にはスクール系統となっている便が発着する水府小・中学校などを過ぎ、常陸太田市内に近づくと増井車庫があります。

市街地では馬場町の交差点を、県道33号方面へ直進し、国道293号と合流してから、常陸太田駅前につきます。


8こ系統 馬場八幡行





先ほどの水府29系統を途中で降りておけば、この便に乗る必要はないのですが、トイレ休憩等も必要であるため、一旦常陸太田駅まで来ました。

この際に、丁度良い便がないため、旧日立電鉄のバスで馬場八幡という終点まで行き、そこから増井車庫までを歩いて、誉田小学校発大間ヶ沢行のスクール便に乗車する予定でした。

このバスは大甕駅から来たバスで、常陸太田駅から先は市内を回り、先ほど通ってきた県道29号線上にある馬場八幡という折返し場に着きます。



この折返し場は、恐らく3台程度は入る様子で、旧日立電鉄のバスのみが使用します。今はどちらも茨城交通ですが、太田営業所運行のバスは少し離れたバス停に止まるため、乗り換えの際は要注意ですが、このバスに乗っているときから雨が降り始め、降りる際には本降りに。

どうしようもないので折りたたみ傘を差しながら歩き、たまたま増井というバス停に待合所があった(但し乗る方向とは反対側)ので、そこで待ち、豪雨かつ歩道もない反対側へ移動してバスに乗りました。


水府26系統 誉田小学校~大間ヶ沢




乗るときはそれどころではないので終点で写真を撮りましたが、スクール系統なので恐らく10名は居たかどうかくらいの小学生を乗せて運行されていました。それ以外の人は皆無です。

途中の大門までは県道を進みますが、ここで右へ別れて集落内へ入っていきます。ローカル路線らしいのどかな光景で、道もバスにとっては手狭ですが、問題なく進んでいき、各バス停で小学生たちは降りていきます。

途中の前沢バス停までの便が日中に1本走っていますが、大間ヶ沢までは朝と夕のみ。終点まで乗る人はなく(まあ人家もないですが)、折返し場としての役割という印象です。


太田63系統 大間ヶ沢~太田営業所




折返し場にバックで入り、折り返しは太田営業所行として運行されます。

これは結構ありがたいことで、この手のローカル路線、とりわけスクール系統は、折り返し便に需要がないケースが多く、回送扱いになってしまうケースも多いです。

地元の需要という観点でみれば、この後に戻ってくるバスがありませんので、このバスで出かけるケースはほぼ皆無であり、また他所からの需要といっても何もない集落の終点であっては…ということになると、回送扱いにされるケースも多いです。

実際、常陸太田のローカル路線でも戻りの便がないケースは多数あり、特に大藪や東染明神の場合、朝の上りと昼・夕の下りしかないため、長距離の徒歩か他の移動手段を確保しない限り訪問すら困難になっています。だから、行って帰ってこれるこの系統はありがたいのです。

予想通りこの便に乗る地元利用者はなかったのですが、運転士の方によると逆久保上という別の路線の終点からこの大間ヶ沢までは、(峠を越えるとはいえ)距離が短くバスマニアで歩いて乗り継ぐ人がいるということを伺いました。同じところを回送便も走っている模様。


上菅02 上菅谷駅~一高前




先ほどのバスで常陸太田駅まで戻った後、総合福祉会館にある温泉に入ってから、再び駅に戻ってきました。

常陸太田駅と上菅谷駅を結ぶ路線は、ほぼスクール系統であり、朝に上菅谷方面から常陸太田(の学校)へ、夕方に逆方面を運行するのがメインであり、送り込み・戻りの増井車庫発着があるのみです。

この便も学校前は起点としており、駅に着く時点で多くの学生が降りていきました。この時間に常陸太田駅を出る水郡線の列車もありますが、那珂市の方から通学している学生にとっては、バスが直通する方が便利ということもあり、スクール系統として残っているという感じでしょう。

駅を出ると349号線を南下し、道の駅ひたちおおたを経由して、バイパスに入るとまもなく久慈川を渡り、那珂市に入ります。額田北交差点からは集落内を進み、一人一人と降りていきます。

特に那珂市内から乗ってくる人はなく、終点の上菅谷駅に到着します。

過去には、さらに南の水戸駅方面まで路線がつながっていたようですが、水郡線と完全に平行していますし、この利用率では厳しかったのではないだろうかと想像がつきます。スクール系統化して利用者がさらに減った面もあるでしょうが。

常陸大宮側はまだ水戸行の系統が残っているのですが、水郡線は常陸大宮の方が便利で、常陸太田は時々上菅谷乗り換えを強いられることになります。それでも多少水郡線と距離をおいていたこともあって、途中の利用があることから路線が残り、ほぼ並行状態の常陸太田のバスがなくなったということでしょうか。