2020年2月29日土曜日

2020年2月のポートフォリオと2020年3月に思うこと

今月は波乱の月となりました。来月はどうでしょうか。
2月末時点のポートフォリオです。

資産全体の割合



今回は、購入・売却やドル転などで少し変化があります。
現金+債券と株でみると71:29なので、前月と比べ大きい変化はないです。
なお、米国ドル建てMMFは、米ドルとしています。

米国株




長らく最大勢力だったBNDを売り払ったため、変動が多くなりました。
(まだ12%ありますが)

今月の買い付け


02/06:RDS.B 52.64
02/10:VTI  168.28 ※定期買付
02/25:VIG  126.45 ※定期買付
02/27:MA   284.75

RDSは他よりも割合が低かったので、配当に合わせて買い増しをしました。
現時点の結果論でいえば、見事に紅ですが……。
MAの方は、SP500が最高値から10%下がったことにより、決定したルールにより「何か堅そうな個別株」を買うこととした際に、MSFTと迷ってより下げている方でMAにしました。

なお、特に購入株数を明示していませんが、定期買付も半額にしました。
給与分のみを買うレベルに下げています。

今月の売却


02/24:BND  86.17
02/26:ZMLP 10.2611


BNDは購入資金の調達や、今まで個人的な所感として「債券」の方にバブルを感じていたので、86ドル代突入を契機に売り払いました。
ZMLPはずいぶん昔に高配当だからという理由だけで買ったものの清算です。さっさとやっておくべきでしたが、ちょっと忘れかけていました、笑


来月の予定


今月最終週からの相場の流れがどうなるかということは、私にはわかりません。
予断を持たずに行動するべきですが、どちらかというと2月頭の水準まで戻すとはあまり考えにくく、もっと下がるかこの状態でだらだら行くかというの方が可能性として高いのではと思います。

行動指針は既に決めています。


ここでいう基準は、SP500をベースに、Nasdaqも随時参照します。

下がったときに何を買うかについては、流動的なので今は言及を控えます。
指数よりは、武漢ウイルスでの影響が少ない、もしくはプラスの可能性がある個別株を考えています。

あとは残っているNISA枠をどうするか。ETFの配当落ちが3月にあるので、今年何度か配当取りにいってコケているとはいえ、特にNISA枠では重要だと思います。
まだまだ高いかもと考える私としては、高配当系をNISAで買うのは1つの手です。少なくともインカムゲインで確定した方が節税効果が高まる?分いいように考えています。
(そもそもつみたてNISAにすれば20年あるので確実なのでしょうか)



参考として、先月のPFです。

2020年1月のポートフォリオと2020年2月に思うこと


年初のお買い物リスト。

2019年末の資産現況と2020年の展望
2020年2月17日月曜日

高配当戦術とハイテクセクターに対する思索

前提


  • 素人の思索なので抜け漏れがあると思います。むしろ、抜け漏れしかありません。
  • 市場平均をアウトパフォームすることを目指す前提がありますが、基本的に筆者の思考は守備的な棋風です。

高配当戦術とテクニカルセクターの共通点





最近、株価の伸びの問題からか、結構やり玉に挙がることの多い高配当戦術です。
論争だとXOMやIBMといった個別株を例に、高配当は外れみたいな意見がよく見受けられます。
上記のツイートがほぼ言いたいことなのですが、あえて追記すると高配当戦術の肝は他者に知られておらず割安ということです。
シーゲル教授の本を読んだ個人的所感ですが、確かに配当の重要性を主張していますが、配当が高い株を何でも買えというものではないと解釈しています。(そもそも最終結論はインデックスで国際分散ですが)

ダウの犬戦術というのは、高配当だからではなく、ダウ30種に選ばれるという裏付けの上で、「比較的」人気のない株だから、アウトパフォームしているということになったのだと思います。

つまり、大前提は成長性と株価のバランスにあるというのが、基本原則だと解釈しています。
基本的に市場は効率的であると言いますが、現実的な話として、人間の世界のことですから、評価の良し悪しや人気の有無というのは、時によって偏ることがあり、その偏りに賭ける部分があるのだと考えています。
もし、それを否定するあるいは諦めるのであれば、VOOなりVTI、VTを買うのが無難でしょう。(これは、容易な様で難しい選択であり、知った上で選択される方には尊敬すべき人が多いです)

その上で、評価が低めあるいは人気がない方を志向するのが高配当戦術であり、評価の高いあるいは人気がある方を志向するのがグロース株であったり流行りのセクター(ハイテク)狙いとなります。
ということは、目指していることは実はそんなに大差ないのではないか?ということです。クレームが殺到しそうな見解ですけど。

この二つは注意点も、「行き過ぎに注意しろ」ということで、またまたよく似ているのです。
高配当株で気を付けることは、究極には「減配リスクの高い株」を避けることです。つまり、成長性がなくなるとかマイナスになるといった事です。
急に株価が伸びて配当再投資がしずらくなることもあるかもしれませんが、上記よりは切羽詰まった問題ではないでしょう。

では、ハイテクセクターはどうかというと、こちらの課題は「高値掴み」と「成長できなかった」の2つです。
前者は、シーゲル教授の言う「成長の罠」で、素晴らしい成長をしたとしても、買値が高すぎて報われないということです。後者は、(ハイテクセクター全体であればリスクは下がりますが)個別株であれば、むしろ市場の期待ほど成長する企業の方が稀かもしれないと思っています。

これらを全てまとめると「成長性と株価のバランスが崩れている」と投資したら、実際は崩れていなかった(あるいは投資家に不利な方に崩れていた)ということになります。


結論


この記事で何が言いたかったかというと、高配当戦術は巷で言われているよりは悪くない戦術であり、今ハイテクが人気なのは今ハイテクが上がっているからということを考えると、一歩引いて見た方がいいということです。一歩引くことが機会損失だといえばその通りかもしれませんが。

そして、高配当戦術が有効に機能する場面が、サイクル上はまた来る可能性があるということだけは言っておきたいです。なぜなら、どちらも「行き過ぎること」に可能性を求めて行う方法論であり、表裏一体だと考えられるからです。
根拠と言うほどのものではありませんが、SP500でもMAGAの4社を除くとだいぶ様相が変わるという超格差"市場"になっているという事実があります。MAGAの4社の成長性について異論はないのですが、逆回転する可能性というのは高まっているのかもしれません。その時には、おそらく高配当戦術がハイテクを上回るものと考えられます。

だから、私も高配当戦術は初心者向けというのは明確に否定します。
まずは、VOOとかVTI(VTもいいかな?)を買ってみたりして、市場を知っていくことに努めるのが無難なスタートだと思います。
傾けるという行為自体が、市場平均に勝つための戦術論の1つであり、戦術論を試す前に、戦場を知らないといけません。

この辺りを理解していない人が、自滅するか、大勝ちしてそれが正しいと喧伝することにより、本質が分かりにくくなっているのかもしれないと思っています。
(まあ、私の言っていることも間違っているはずなので、よく考えた方がいいですが)


では、どうするのか


ここからは私がこの後どうしようと思っているかという話です。個人的なことです。


1月末時点のポートフォリオです。
今は、ここにRDS.Bを買い増しているのでちょっと変わっています。

高配当(T、BTI、ABBV、DUK、RDS.B、VYM)、グロース(MSFT、V)です。MCDは中庸かな。CSCOは微妙なところで高配当よりなのが現状ですが、市場評価よりは成長余地あると思っています。
ということでまあまあ高配当に寄っています。

私も米国の方が日本より高配当で連続増配も長くてええやんのクチで入ってきた、リーマンショック未経験の新参なので、こうなっています。GEで痛い目見たけど笑

ちょっと成長性に乏しいポートフォリオになっているかもしれません。
ABBVはちょっと特殊で高配当ですが、成長性はあると思っています。ヒュミラ問題が重しになっているというのが個人的な考えで、アラガン買収などが功を奏すれば、十分に成長すると考えると、買っておいて損はない(最悪成長しなくても配当維持できればセーフ)と思っています。
後の高配当株は、そこまでは期待はしていません。減配リスクは低いと踏んでいますが。


皆さんの議論もみていて、グロース欲しくなりました!
MSFTは特にいいので色付けとして持っておくとして、QQQがいいかなと思っています。
VGTとQQQで悩むのですが、VGTはAMZNとGOOG、FBがいません。
これが吉と出るか凶とでるか、それは分かりかねるのですが、そういう時はマイルドな方に行っておくのがいいとしておきます。

特にAMZNが居ないのがどうかな…?後者2つはハイテクと言いながら収益源が広告によっているので、結構性質が違うと思っています。

ところで、こんなことを思いつきで呟いてしまいました。


今、この社会でMAGAでもGAFAでもいいですが、そのあたりのハイテク技術を抜きに暮らすというのは、正直困難であります。次世代の生活必需品セクターとして、ハイテクがいつの間にかディフェンス色の強いセクターと見なされる日が(遠くないうちに)来るのかもしれないと思うようになりました。

その観点でみると、私の考えではAAPL、GOOG、FBは弱いんですよ(贅沢すぎ)。AAPLは製造業的な問題を抱え込んでいることが、GOOGとFBは広告に依存しすぎていることが、どちらも不景気になったときにネックなのかと。
AWSとAzureはインフラなんで、そこでMSFTとAMZNは強いんじゃないかと。
そこでVGTとQQQを見ると、AMZNがプラスでGOOGとFBがマイナスで、差し引きマイナス1なのでVGT買うのと迷います(繰り返すが贅沢すぎ)。

ただ、繰り返しになりますが、ハイテクが割高であり行き過ぎであることもあり得るので、買うとしてもちょっとずつであり、サイクル末期のここで全力投資は危険かなと思っています。
TECL!TECL!TECL!

2020年2月9日日曜日

大戦略論(ジョン・ルイス・ギャディス著)

大戦略論
イェール大学の伝説の講座を一冊に!乱流の21世紀を生き抜く戦略とは?孫子からリンカーンまで、古今のビジョナリーを通じて戦略思考の本質を伝授。


はじめに


だいぶ昔になってしまいましたが、日経新聞で書評があり気になっていたのですが、積みの状態が長くなってしまいました。
安全保障、地政学、戦略は個人的に興味のある分野であり、その中で「大戦略(グランド・ストラテジー)」というものの一端を知ることが出来ればと思いました。

本書は、古代ギリシャのペロポネソス戦争からフランクリン・ルーズベルトまで、リベラル・アーツの考えで作られた書籍です。
グランド・ストラテジーについて、
無限になりうる願望と必ず有限の能力とを釣り合わせること。
 と定義しています。
この内容を直接的に論じるというよりは、過去の戦略家を重ねて、行くスタイルでグランド・ストラテジーは何かということを、読者に考えさせていくというものですが、そこに書かれている歴史もわかりやすく書かれているため、知らない人でも読めます。


考察?


本書内で対比として出てくるのが、フィッツジェラルドの「ハリネズミと狐」によるもので、願望へ突き進むことで力を発揮していくハリネズミと、周りに対する感覚にすぐれる狐というもので、この能力のバランスを取らなければいけないというのは、まさに著者が定義するグランド・ストラテジーに当てはまるものです。

本書内でこのバランスが最も(私見では)よさそうに見える人物がリンカーンです。
リンカーンは元々法律も政治も独学で学んだ、裕福ではない人物ですが、自らの目的とその為に何をしなければいけないかということの選択に長け、弁護士から下院議員となり、そして大統領になり、最終的に南北戦争を北軍の勝利に導きます。

リンカーンは対立する二つのものをうまく操り、それらに操られはしなかった

締めくくりとしてそう書かれていますが、これは他のオクタウィアヌスの例からも読み取れます。私はこれがグランド・ストラテジーのポイントで、他を操る部分が狐で操られない部分がハリネズミなのでしょう。

解説にも言及があり、著者の意図もそうではないかと思うのですが、このような大戦略は何も国家や指導者に限ったものではなく、日々の生活においてもあることです。
ストラテジーに、さらに「グランド」までついてしまったのに、実はストラテジーより身近になっていたりします。

私の身近な話でいうと、投資がやはり一番当てはまる気がします。
ハリネズミは、お金を稼ぎたいとか稼いだ後仕事とオサラバして好きなように生きようといった「欲望」。
では、狐はどこにいるのでしょうか。それが知識であり哲学であり、それに基づいて明確化されたストラテジー(もっと柔らかく言えばルール)だと思います。

ハリネズミになるのは、割と簡単なもので欲望を持ち、それを具体化するために行動していくことだけです。
問題はそこからで、ハリネズミが正しい行動をしているかを知るためには、狐が必要なのです。しかし、普通の人にとって狐は、黙って手に入るものではなく、側近といった他者に求めることも難しいでしょう。
だからこそ、人は自分の中に狐を飼うしかないのでしょう。まずは、その第一歩になるのが、狐の重要性を説く本書だと思います。
2020年2月1日土曜日

2020年1月のポートフォリオと2020年2月に思うこと

2020年も1月が過ぎました。
1月末時点のポートフォリオを公開します。

資産全体の割合



こちらは前月と比べると、日本円が2%減、米国株が2%増です。
それ以外に目立った変動はありません。


米国株




こちらは、ABBVを配当落ちの直前に購入した分の変動があります。

個別に見ていくと冴えないのがTやRDS.B、CSCOあたりでしょうか。
好調なのが、BTI・MSFT・MCDです。


今月の買い付け


01/07:ABBV 88.66ドル
01/10:VTI  166.26ドル ※定期買付
01/27:VIG  126.11ドル ※定期買付

年初の記事で書いていた通り、PFEなどいくつか狙っていたものはあったのですが、決算などをみて見送りました。結果、1月頭にまず配当を取っておこうと買ったABBVだけですが、さっそくの含み損です。
まあ、10年の単位で見れば誤差といいたいところです……。


来月の予定


定期買付はどんな状況でもルールどおり行っていきます。
まずは、寝ている現金を減らさなければならないですからね。
ちなみに、いつも私はあれ買いたいこれ買いたいといいますが、実際のところ5年くらいかけて徐々に株の比率を高めていけばいいということなので、唾つけまくって何もしてないことも多いです、笑

VTI


我らが母港のVTI。
2月の株価を先を見通し、予断を持つことは良くないと思うのですが、個人的には下げが長引く印象はないです。
理由としては、
  • 新コロはやはり一時的要因でしかない。そもそも、「米国は」チャイナにそこまで影響されない。
  • FOMCは不安があるが、最終的にはトランプ大統領は、株価を下げる方向を容認しない公算が高い。
ということで、今のところは楽観です。
そういう意味では一定の調整が入ったところで、VTIを買い増すことを考えます。

MSFT


SBIでは2/19に現地配当落ちとあります。
決算はよいですし、新コロによる影響も(相対的に)受けにくい銘柄と考えられるので、もし下がってくればそれは買い増しのチャンスではないでしょうか。
多少、高値で掴んでもいずれ上がると安心できるだけの決算を出していると思います。

V


同じく2/13が現地配当落ち。
かねがね買いたいと思っている株の1つ。
こちらはマイクロソフトと違い決算がかんばしくなかったという見方です。
今の価格帯で見ると割高感が強まっているので、もう少し様子見姿勢強めながらも、買い増しの機会があれば・・・ですかね。
MAの方が決算がよかったので、V買い増しよりMAを持つ方が先の気もしてきて悩み中。

JNJ


同じく2/24が現地配当落ち。
こちらの決算は、MSFTほど手放しで喜べないですし、かといって割安とも言いがたいので、ある程度値下がりすればということですが、1回分確実に配当を取っておくのは馬鹿にならないので。


RDS.B


2月に手を出すのはまだ早いかなという気持ちはありますが、こちらも2/13が配当落ち。
既に利回りは7%が見えてきていて、決算もよくなく、原油や天然ガスもまだまだ下がるということで、結構覚悟が必要なところです。テクニカルで見てもずるずる行きそうです。
とはいえ、英国株かつ高配当と、NISAとの相性の良さがあることもあり、値下がり上等で配当を取りに行くのは、悪くないと思います。
もう完全に握力テストの域ですね。


JPMかWFC


そういえば金融を1つ持っていないので、どちらかは…と見ていますが、決算は明暗が分かれました。
WFCはPER10倍割れも見えてきています。素人なので単純に買いたくなりますが、決算のよかったJPMも十分割安で高配当なので、JPMでいいのではと思っています。
とはいえ、金融は景気に敏感な面があるので、別にETFで収めておけばいいのではないかという気も。