序文
まず結論から申し上げると、一方的な妄信(といっても過言ではない)に近い期待を持って露国訪問をしたことはきわめて残念であり、安倍総理の政治的不見識を自ら公言するに等しい行為だと考えている。
露国は絶対に譲歩しない
所謂北方領土と言われる千島列島南部については、日本側の主張と露国の主張が異なる。
どちらの主張に正当性があるかという問題は専門家に任せるとしても、日本人が実態として理解しておくことは、千島列島全域が露国に占拠されているという事実である。
そして、彼らからすれば、そこは国家の主権が及ぶ領域である。
一般に国家の三要素として、
- 領域
- 国民
- 主権
プーチン大統領が自らの存在を危うくしてまで、譲歩するということは有り得ないのである。
露国にお金を提供してはならない
ということで、本気で報道のあるような二島返還を期待して露国を訪問しているということは、(流石に)ないと考えられる。
すると次に考えられるのが、千島列島の海産資源やその他極東地域の資源や投資などの権益で何らかの利益を得ると共に人的交流を促し、やがて本丸に攻め込むといった(極めて理想主義的な)考えではないだろうか。
これが如何に浅はかかつ危険であるかは、過去のサハリン2含めた数々の歴史が証明している。何処までいっても露国は敵性国家ないしは敵国なのであり、一切の利得を提供してはいけない。食い破られて使い捨てられることは明々白々である。
結論 近隣国との友好という幻想を捨てよ
つまり、露国と交渉して得られるものはないということは、誰にでもわかる。
もちろん、無闇に挑発することが正しいわけではないが、もっと冷徹な関係に徹するべきであるが、平和条約をレガシーとでもしたいのか、足元を見られるように、この問題に深入りする安倍政権には、重大な懸念があり、万が一千島列島南部に対する何らかの譲歩を行った場合、民主党以下の売国奴として歴史に名を刻むと警告したい。
残念ながら日本には、「近隣国との友好」という幻想が外交方針に刻み込まれている。
しかし、実際の日本の近隣国を見てみると、支那・南北朝鮮・露国という世界でも稀に見る危険な国家が密集しており、友好などという甘い言葉では済まない超危険地帯なのである。その中で生きながらえているのは、ひとえに在日米軍の存在と考えられるが、それを認識せず甘い外交に終始する日本国家は非常に危険であると言わざるを得ない。
南朝鮮のレーダー問題で、日本の大衆でさえこのような方針に不信を持ってきた。
むしろ元来、日本人は支那も朝鮮も露国も信用できないと肌感覚は持っているだろう。
今こそ外交の「戦後レジーム」というべき誤った幻想を捨てるべきだ。